COPAIN(コパン)は遠隔リハビリに特化し、在宅でリハビリ科医やセラピスト、多様な専門家による身体と心の包括的なリハビリが受けられます。


当事者インタビュー「須藤 宏和 さん」:脳卒中後の復職とリハビリについて【第3回】

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こんにちは!マツモトヤスヒロです。
本日が最終回。前回・前々回に引き続き、須藤様のインタビューをお届けします。
脳卒中を経験した私達にとって、復職はどういう意味を持つのか?そして、それを通じて自分らしく生きるとはどういうことなのか、一緒に考えていきましょう。
インタビュー最後に、私が感じたこともお話させていただきます。

【第1回インタビューはこちらから】

https://miraicopain.com/2023/12/25/interview-with-s-1/

【第2回インタビューはこちらから】

https://miraicopain.com/2023/12/28/interview-with-s-2/

Q14:現在、日常生活で困りごとはありますか?

今年はギックリ腰などで、寝込んだことが多かったがために、せっかく歩きが上手くできるように徐々によくなっていたのが、全くバラバラ状態になっちゃって。変な話回復期病院でリハビリやっていた時の方が、上手いのでないかなぁっていうくらいにバラバラ。
だからまぁ、例えば今年はほとんどなかったのですけど、土日の散歩を復活するとかですかね。まずはやっぱり、歩くしかないですね。

Q15:今趣味などはありますか?

相変わらず趣味はないですね。昔は趣味で趣味の塊だったのですけど。1番はあのアウトドアでした。週末は必ず川か山にいましたので。友達と行ったり、自分1人で行ったり。
いつも山の中に行って山のいい空気を吸って、リフレッシュして、帰ってきてボロボロ仕事したっていうのがまぁ独身時代ですけどね。だから結婚してから、やっぱり趣味がなくなりましたね。 今は昔やっていたアマチュア無線も、興味があります。

Q16:今リハビリで困っていることはありますか?

何がリハビリかっていうのがはっきりしない状態ですけど、あえて言えばやっぱり手の動きですかね。一応退院した時は、動いたのですけど。全然力も入らなくなっちゃったし。
ボトックスを打って、その時はなんとなく柔らかくなるのだけど。でもやっぱりこう、手の平を自分の方に向けることはできなくなっているのですね。

Q17:お仕事の中で、今後やりたいことはありますか?

私は色々仕事をやってきたわけですけど、いわゆる資格っていうのがないのですよ。取るチャンスはいっぱいあったし、取るべきだったのだろうと思うのですけど。
不動産関係のなんか資格を取ってみようかな、と思っています。
あと営業じゃないけど、地方の事務所を回る仕事もあるので。現場の人達と顔つなぎをして、本社との風通しをよくする役割で。そういうのをやっていかなきゃいけない人が、どうしても必要なのですよね。そういう仕事を、やりたいのですよね。ずっと、そういうのを言われなくてもやってたっていたので。
まぁ今年は無理かもしれないけど、その辺で会社に役に立つことはできるのではないかなと思って。

Q18:2023年を振り返って

今年はそういう自分としてはもう嫌で辛いとは思っていたのですけど、8月まで体調も悪かったし。
ただ仕事はとにかくやらないと、どうしようもない。そういう状態を同僚みんなで共有はしていて。で、8月の末の目標に向かってなんとか達成したのですよ。それについては、周りの人にも評価されていたというのが分かったので、良かったなぁと思っていますね。
「須藤さんがいなかったら、多分今回できなかったと思う」って言われて。皆はそう言っていました。「本当に助かりました」って言われて、よかったなと思って。具体的にこれだっていうのはないのですけど。やっぱりチームでやるからには、それってすごく嬉しいですし。
私は若い彼らが非常に優秀なので、尊敬もしていてですね。ワールドでできればと思っていて。自分の経験を話すことで、イメージできたこともあったようです。だからそれは、まぁ出来て良かったかなっては思う。

Q19:病気になって復職されて、大変なことは

例えば障がいがあるがためにPC打つのが遅いとか、言葉がやっぱりどうしてもと思っちゃうのですよ。いっぺんに言えないのですよね。言おうとすればするほど、言えないのですよ。そのことも同僚達は、一応わかってはいるらしい。だから待ってくれるのですね。
そういう気遣いはあるけど、それ以外のところはやるのかやらないのかだと思う。
例えば人と話と話す時にどうするかとか、障がいとは関係ないので。
「これはやってくださいね」って言われた時に、それは障がいが理由でできないのか、そうじゃないのかっていうのは、会社は判断すると思うので。

【須藤さんのお話から、私が感じたこと】

よく復職を、ゴールにする方がいらっしゃいます。でも本当に、復職はゴールでしょうか?
脳卒中後の復職率は40~50%と言われています。ただその後の離職率は、より高いのが現実です。原因の多くが、復職はしたが自分の望まない仕事、部署への配置転換です。須藤様も一時期、違う部署への配置転換を経験しています。
須藤様のお話の中で印象的だったのは、「会社に役に立つことはできるのではないかな」という言葉でした。どんな仕事でも障がい・健常に関係なく、貢献はキーワードになるのではないでしょうか?
須藤様は今までの経験を活かし、会社への貢献を目指していました。だから同僚の方々も、須藤様を必要とするのではないでしょうか?
もう1度お話しますが、復職はゴールではありません。復職後の人生の方が長いのです。復職を目的としたリハビリが提唱されるケースがありますが、私はとても違和感を覚えています。辛いですが、リハビリは一生です。職場で貢献できるために、改善を諦めてはいけないし、おこなわなければ後退します。
生きていくために、仕事(work)は欠かせません。ただ脳卒中になったら、ライフワーク (lifework)は求めてはならないのでしょうか?須藤様のお話の中でもあった通り、気遣ってもらうべきことは必ずあります。ただ常に貢献するという意識は、持っていなければならないのではないでしょうか?

COPAIN㈱
松本安弘

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