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脳卒中から職場復帰へ:日本の復職率と成功の秘訣


脳卒中発症後の復職率について、皆さんはご存じでしょうか?

実は、日本ではこの復職率がかなり低いのが現状です。

その理由の一つとして、多くの企業が障がい者の受け入れ体制を整えられていないことが挙げられます。

この記事では、脳卒中発症後の復職率について詳しくみていきます。また、復職する際の注意点や、復職が難しい場合に利用できる制度についてもご紹介します。

この記事を読むことで、脳卒中後の復職に関する不安を軽減できるはずです。

脳卒中発症後の復職率は50~60%

脳卒中患者の復職率は50~60%といわれています。

これは厚生労働省の調査によるものです。

厚生労働省. “事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン 参考資料: 脳卒中に関する留意事項.” 2024年. (https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000198760.pdf) 

この調査によると、平成26年の就労世代(20~64歳)の脳卒中患者数は約17万人とされています。また、復職する時期は発症から3ヶ月~6ヶ月後、もしくは1年~1年6ヶ月後が最も多いことが分かっています。

つまり、逆に言えば、発症から1年6ヶ月を経過しても、約半数の方は復職できていないことになります。

復職までの流れ

脳卒中発症から復職まで、どのような過程をたどるのでしょうか。
ここからは一般的な流れを、具体的にみていきたいと思います。

【具体例】

  1. 医療機関の診断書を総務部へ提出
  2. 総務部と面談
     有給期間の伝達
     休職の必要期間の確認
     最大休職日の伝達
  3. 総務部へ休職願い提出
  4. 休職
     2~4週間ごとに対面・面談・オンライン・電話・メールで総務部から状況確認
  5. 復職可能と主治医が判断
  6. 医療機関の診断書を総務部へ提出
  7. 総務部から上長へ連絡
     同じ仕事ができそうか、異動が必要かなどの連絡がされる
  8. 産業医と対面で面談
  9. 総務部と対面で面談
  10. 復職

上記の内容は一般的な流れをしめしています。企業によって異なりますので、詳細については勤め先の総務部または人事部にご確認ください。

復職までに患者本人が気を付けるべきこと

休職中には、会社の人事部・総務部の担当者や直属の上司と密に連絡を取り合いましょう。
これは、復職をスムーズに進めるために非常に重要なことです。その際に、現状できることやできないことをしっかりと伝えることも大切です。

実は、私は脳梗塞を発症した当時、復職を焦るあまりにその点をきちんと伝えることができず、復職後に苦労した経験があります。幸い、私の場合は上司や同僚に恵まれましたが、通常であればミスマッチによる退職につながるケースも考えられます。

つまり、よりスムーズな復職を果たすためには、会社の人事部・総務部の担当者や直属の上司と密に連絡を取り合うことが必要不可欠なのです。

復職後に患者本人が気を付けるべきこと

復職後に、気を付けるべきことが2点あります。
ここからは、その2点についてみていきたいと思います。

過去の自分と比べない

第1に、過去の自分と比較しないことです。

なぜなら、復職後には自分が思っている以上に、できなくなっていることが多くなっているからです。

例えば、私は疲れやすい身体になっていたにも関わらず、昔のようにできるはずだと無理をしてしまい、倒れたことがあります。たいしたことはなかったのですが、それ以来疲れた時は休憩を取るように心掛けました。

つまり、復職直後に以前のように働けないのは当然のことであり、その現実を受け入れることが大切なのです。

まわりと比較しない

第2に、周りと比較しないことです。

なぜなら、先ほどお話した通り、復職後には自分が思っている以上に、できなくなっていることが多くなっているからです。

例えば、私は同僚に負けたくないと思い、必要以上に無理をして働いていました。しかし、結果はうまくいかず、上司に迷惑をばかりかけていました。

周りにはあなたを悪く言う人もいるでしょう。ただ、そこは割り切るしかありません。

ですから、周りと比較して卑下するのではなく、マイペースで頑張っていくしかないのです。

同僚へのお願い

同僚の皆さんにお願いがあります。復職した同僚と、密なコミュニケーションを取ってください。

なぜなら、復職した同僚は孤独で不安だからです。ぜひ、優しい言葉をかけてあげてください。

例えば、私の場合、直属の上司が密なコミュニケーションをとってくれました。具体的には、私に日々優しい言葉をかけてくれ、負担がかかりそうな業務は全面的にサポートしてくれました。そのおかげで前向きに仕事に取組むことができ、最終的には病前と同じ程度に働けるようになりました。

このように、同僚の温かいサポートは、復職後の孤独や不安を和らげるだけでなく、仕事への意欲を高める大きな原動力となるのです。

家族へのお願い

家族の皆さんにもお願いがあります。復職した家族を、温かく見守ってあげてください。

なぜなら先ほどもお話した通り、復職した家族は孤独で不安だからです。

例えば、私の場合、妻が優しく見守ってくれました。具体的には、仕事で無理をしないように毎日話しを聞いてくれたり、献身的にサポートをしてくれたりしました。そのおかげで、私は孤独や不安が解消され、仕事に打ち込むことができました。

このように、家族の温かいサポートも、復職後の孤独や不安を和らげるだけでなく、仕事への意欲を高める大きな原動力となるのです。

復職ができない場合に活用すべき行政サービス

最初にお話しした通り、すべての脳卒中患者が復職できるわけではありません。

なぜなら、日本の企業ではまだまだ障がい者の受け入れ体制が整っていないケースが多いからです。

そこで、ここからは復職が叶わなかった場合に生活面のサポートをしてくれる障害者年金について見ていきたいと思います。

例えば、私の知り合いも、現在この制度を活用しながら再就職を目指しています。

ではさっそく、詳細を見ていきましょう。

障害者年金とは

障害者年金は、障害を負った人に経済的な支援を提供するための制度です。大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがあります。

障害基礎年金について

  1. 対象者
     自営業者、農業者、学生など(国民年金加入者)
  2. 受給条件
     障害の原因となった病気や怪我の初診日が国民年金の加入期間中であること
     初診日の前日に保険料を滞納していないこと
     障害等級1級または2級に該当すること

障害厚生年金について

  1. 対象者
     会社員、公務員など(厚生年金加入者)
  2. 受給条件
     障害の原因となった病気や怪我の初診日が厚生年金の加入期間中であること
     初診日の前日に保険料を滞納していないこと
     障害等級1級から3級までに該当すること

障害等級とは

障害の程度に応じて1級から3級までがあり、1級が最も重い障害です。医師の診断や障害の状態で等級が決まります。

受給手続きについて

初診日から1年6ヶ月経過後に、市区町村役場や日本年金機構の窓口に年金請求書を提出します。

このように、障害者年金は障がいを持つ人々の生活を支えるための重要な支援制度です。条件を満たせば、経済的な援助を受けることができますので、ぜひ知っておきましょう。

おわりに

脳卒中発症後の復職は、多くの患者にとって大きな挑戦です。企業の受け入れ体制の整備が進むこと、患者が自身の状態をしっかりと把握し、適切に対応することが求められます。また、家族や同僚の温かいサポートが、復職の成功に大きく寄与します。

もし復職が難しい場合でも、障害者年金などの公的支援制度を活用することで、経済的な安心を得ることができます。この記事が、脳卒中後の復職に関する理解を深め、不安を軽減する一助となれば幸いです。

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