COPAIN(コパン)は遠隔リハビリに特化し、在宅でリハビリ科医やセラピスト、多様な専門家による身体と心の包括的なリハビリが受けられます。


脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いをご存じですか?


あなたは脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いをご存じですか?

私自身、脳梗塞になった時、この違いが分からずに非常に混乱しました。

そこで今回は、その違いについて見ていきたいと思います。これらの言葉はそれぞれ異なる意味を持ち、正確な知識を持つことが予防や早期発見に役立ちます。

この記事を読むことで、脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いを理解し、日常生活での健康管理に役立てることができるでしょう。

脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称

脳卒中とは、特定の病気の名前ではありません。

なぜなら、脳卒中は脳への血流が妨げられたり、脳内で出血が起きたりすることで、脳組織が損傷する病気全般を指すからです。

具体的には、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つの病気の総称になります。

つまり、脳卒中は病気そのものの名前ではなく、これら3つの病気をまとめた呼び方なのです。

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いについて

ここからは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血という3つの病について、

➀種類
➁発生原因
③症状
④治療方法
⑤再発予防

に焦点を当てて、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

脳梗塞

① 種類

  • アテローム血栓性脳梗塞
    主に動脈硬化によって生じる脳梗塞。動脈硬化が進行すると、動脈内にプラークが形成され、これが破裂すると血栓が形成され、血管を詰まらせます。
  • 心原性脳梗塞
    心臓で形成された血栓が血流に乗って脳に到達し、血管を詰まらせる脳梗塞。心房細動などの心疾患が原因となることが多いです。
  • ラクナ梗塞
    脳の深部にある小さな血管(穿通動脈)が閉塞することで生じる小さな脳梗塞。高血圧が主な原因です。

② 発生原因

  • 動脈硬化
    血管の内壁にコレステロールが蓄積し、プラークが形成されます。
  • 高血圧
    血管に過剰な圧力がかかり、動脈硬化が進行します。
  • 糖尿病
    血糖値が高い状態が続くと、血管が損傷しやすくなります。
  • 心房細動
    不規則な心拍動により、心臓内で血栓が形成されやすくなります。
  • 高コレステロール血症
    血中のコレステロールが高いと、動脈硬化のリスクが高まります。

③ 症状

  • 片側の手足の麻痺やしびれ
    一般的に、突然片側の手足が動かなくなったり、しびれを感じたりします。
  • 言語障害
    言葉が出にくくなったり、他人の言葉が理解できなくなったりします。
  • 視覚障害
    視野の一部が欠けたり、視力が低下したりします。
  • めまいやふらつき
    平衡感覚が失われ、めまいやふらつきを感じることがあります。

④ 治療方法
【急性期治療】

  • t-PA療法
    発症後4.5時間以内に行う血栓溶解療法。血栓を溶かす薬剤(t-PA)を静脈注射します。
  • 機械的血栓除去術
    カテーテルを用いて血栓を物理的に取り除く手術。

【慢性期治療】

  • 抗血小板薬
    血小板の凝集を抑える薬剤(アスピリンなど)を内服します。
  • 抗凝固薬
    血液の凝固を防ぐ薬剤(ワーファリン、ダビガトランなど)を内服します。
  • リハビリテーション
    機能回復のためのリハビリテーションを行います。

⑤ 再発予防

  • 血圧管理
    血圧を正常範囲内に保つため、降圧薬の内服や生活習慣の改善を行います。
  • 脂質管理
    食事療法や薬剤によってコレステロール値を管理します。
  • 禁煙
    喫煙は動脈硬化を進行させるため、禁煙が推奨されます。
  • 適度な運動
    定期的な有酸素運動が健康維持に役立ちます。
  • 食事療法
    塩分を控えめにし、野菜や魚を多く摂るバランスの良い食事を心掛けます。

脳出血

脳内の血管が破れて出血し、脳内に血液が溜まることで脳圧が上昇し、脳機能が障害される病気です。

① 種類

  • 高血圧性脳出血
    高血圧により血管が破れ、脳内で出血が起こるタイプ。特に脳の深部で発生しやすいです。
  • 動脈瘤破裂
    脳動脈にできた瘤(動脈瘤)が破裂し、出血が起こるタイプ。

② 発生原因

  • 高血圧
    血管に過度の圧力がかかり、破れやすくなります。
  • 動脈瘤
    血管壁の一部が膨らんで形成される瘤が破裂することがあります。
  • 脳血管奇形
    血管が異常な構造をしていると、出血のリスクが高まります。
  • 外傷
    頭部への強い衝撃が原因で出血することがあります。

③ 症状

  • 突然の激しい頭痛
    出血が起こると、突然の激しい頭痛を感じることがあります。
  • 意識障害
    意識がぼんやりしたり、昏睡状態に陥ったりします。
  • 嘔吐
    脳圧の上昇により嘔吐することがあります。
  • 片側の手足の麻痺やしびれ
    出血によって脳の機能が障害され、片側の手足に麻痺やしびれが生じます。

④ 治療方法
【急性期治療】

  • 脳圧管理
    脳浮腫を防ぐための治療(脳室ドレナージ、浸透圧療法など)。
  • 手術
    出血部位の血腫を除去する手術(血腫除去術)や、破裂した動脈瘤をクリップで止める手術(動脈瘤クリッピング)。

【慢性期治療】

  • リハビリテーション
    機能回復のためのリハビリテーションを行います。

 ⑤ 再発予防

  • 血圧管理
    血圧を正常範囲内に保つため、降圧薬の内服や生活習慣の改善を行います。
  • 血糖管理
    糖尿病の管理を行い、血糖値を正常範囲内に保ちます。
  • 禁煙
    喫煙は血管に悪影響を与えるため、禁煙が推奨されます。
  • 定期的な医療検査
    動脈瘤や脳血管奇形の早期発見のため、定期的に検査を受けることが重要です。

くも膜下出血

脳の表面とくも膜との間にあるくも膜下腔に出血が起こり、脳機能が障害される病気です。

① 種類

  • 動脈瘤破裂によるくも膜下出血
    脳動脈の瘤(動脈瘤)が破裂して出血が起こるタイプ。
  • その他の原因によるくも膜下出血
    脳血管奇形や頭部外傷によって出血が起こるタイプ。

② 発生原因

  • 動脈瘤
    血管壁の一部が膨らんで形成される瘤が破裂することがあります。
  • 脳血管奇形
    血管が異常な構造をしていると、出血のリスクが高まります。
  • 外傷
    頭部への強い衝撃が原因で出血することがあります。

③ 症状

  • 突然の激しい頭痛
    出血が起こると、突然の激しい頭痛を感じることが多く、「ハンマーで殴られたような痛み」と表現されることもあります。
  • 意識障害
    意識がぼんやりしたり、昏睡状態に陥ったりします。
  • 嘔吐
    脳圧の上昇により嘔吐することがあります。
  • 首のこわばり
    くも膜下出血によって髄液中に血液が流れ込み、髄膜刺激症状(首のこわばり)が生じます。

④ 治療方法
【急性期治療】

  • 手術
    動脈瘤をクリップで止める手術(動脈瘤クリッピング)や、コイルを使って動脈瘤を塞ぐ手術(コイル塞栓術)。
  • 脳圧管理
    脳浮腫を防ぐための治療(脳室ドレナージ、浸透圧療法など)。

【慢性期治療】

  • リハビリテーション
    機能回復のためのリハビリテーションを行います。

⑤ 再発予防

  • 動脈瘤の定期検査
    動脈瘤の早期発見と治療のため、定期的に検査を受けます。
  • 血圧管理
    血圧を正常範囲内に保つため、降圧薬の内服や生活習慣の改善を行います。
  • 禁煙
    喫煙は血管に悪影響を与えるため、禁煙が推奨されます。
  • 血管健康を保つ生活習慣の改善
    健康的な食事、適度な運動、ストレス管理などが重要です。

3病がひとまとめにされるようになった理由

では、なぜ脳梗塞、脳出血、くも膜下出血は「脳卒中」と呼ばれるようになったのでしょうか?

それは、昔はCTやMRIなどの詳しい画像診断ができなかったため、脳内の異常を詳しく分類するのが難しかったからです。そのため、脳の血管に関わる急な症状をすべて「脳卒中」と呼ぶようになりました。

ちなみに、「脳卒中」という言葉の由来は「脳に卒然(=突然)、中(あた)る」という意味から来ています。これは、脳の血管に急に異常が発生し、突然の発作や症状が起こる状態を表しています。この言葉は古代中国の医学用語から日本に伝わり、現代でも脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの総称として使われています。

このような理由で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血がひとまとめにされるようになったのです。

おわりに

ということで今回は、脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いについてみてきました。

私自身も脳梗塞を発症した当時、その違いが分からずに混乱した経験があります。正確な知識を持つことは、予防や早期発見に役立ち、日常生活での健康管理にも繋がります。

脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称であり、これらの病気は一見似ているように思えますが、それぞれ発生原因や症状、治療方法が異なります。この記事で紹介した情報を参考にして、少しでも健康な生活を送るための助けになれば幸いです。

脳卒中後の生活に役立つ、セミナーアーカイブ動画を無料でプレゼント中

公式LINEで、お友達になってください
<プレゼント内容>
・脳卒中後の栄養管理
・脳卒中後あなたを守る福祉制度
・脳卒中後のストレス管理
・脳卒中後の睡眠管理
・脳卒中後の仲間づくり
・脳卒中後のリハビリテーション
・脳卒中後の脳トレーニング
・脳卒中後のアロマテラピー
今後も追加予定。
下記より、お友達登録お願いします!

友だち追加

Follow me!


PAGE TOP