![](https://miraicopain.com/wp-content/uploads/2024/06/cd726ddd-81e8-4992-b266-886d9fc77199.webp)
あなたは脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いをご存じですか?
私自身、脳梗塞になった時、この違いが分からずに非常に混乱しました。
そこで今回は、その違いについて見ていきたいと思います。これらの言葉はそれぞれ異なる意味を持ち、正確な知識を持つことが予防や早期発見に役立ちます。
この記事を読むことで、脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いを理解し、日常生活での健康管理に役立てることができるでしょう。
目次
脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称
脳卒中とは、特定の病気の名前ではありません。
なぜなら、脳卒中は脳への血流が妨げられたり、脳内で出血が起きたりすることで、脳組織が損傷する病気全般を指すからです。
具体的には、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つの病気の総称になります。
つまり、脳卒中は病気そのものの名前ではなく、これら3つの病気をまとめた呼び方なのです。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いについて
ここからは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血という3つの病について、
➀種類
➁発生原因
③症状
④治療方法
⑤再発予防
に焦点を当てて、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
脳梗塞
① 種類
- アテローム血栓性脳梗塞
主に動脈硬化によって生じる脳梗塞。動脈硬化が進行すると、動脈内にプラークが形成され、これが破裂すると血栓が形成され、血管を詰まらせます。 - 心原性脳梗塞
心臓で形成された血栓が血流に乗って脳に到達し、血管を詰まらせる脳梗塞。心房細動などの心疾患が原因となることが多いです。 - ラクナ梗塞
脳の深部にある小さな血管(穿通動脈)が閉塞することで生じる小さな脳梗塞。高血圧が主な原因です。
② 発生原因
- 動脈硬化
血管の内壁にコレステロールが蓄積し、プラークが形成されます。 - 高血圧
血管に過剰な圧力がかかり、動脈硬化が進行します。 - 糖尿病
血糖値が高い状態が続くと、血管が損傷しやすくなります。 - 心房細動
不規則な心拍動により、心臓内で血栓が形成されやすくなります。 - 高コレステロール血症
血中のコレステロールが高いと、動脈硬化のリスクが高まります。
③ 症状
- 片側の手足の麻痺やしびれ
一般的に、突然片側の手足が動かなくなったり、しびれを感じたりします。 - 言語障害
言葉が出にくくなったり、他人の言葉が理解できなくなったりします。 - 視覚障害
視野の一部が欠けたり、視力が低下したりします。 - めまいやふらつき
平衡感覚が失われ、めまいやふらつきを感じることがあります。
④ 治療方法
【急性期治療】
- t-PA療法
発症後4.5時間以内に行う血栓溶解療法。血栓を溶かす薬剤(t-PA)を静脈注射します。 - 機械的血栓除去術
カテーテルを用いて血栓を物理的に取り除く手術。
【慢性期治療】
- 抗血小板薬
血小板の凝集を抑える薬剤(アスピリンなど)を内服します。 - 抗凝固薬
血液の凝固を防ぐ薬剤(ワーファリン、ダビガトランなど)を内服します。 - リハビリテーション
機能回復のためのリハビリテーションを行います。
⑤ 再発予防
- 血圧管理
血圧を正常範囲内に保つため、降圧薬の内服や生活習慣の改善を行います。 - 脂質管理
食事療法や薬剤によってコレステロール値を管理します。 - 禁煙
喫煙は動脈硬化を進行させるため、禁煙が推奨されます。 - 適度な運動
定期的な有酸素運動が健康維持に役立ちます。 - 食事療法
塩分を控えめにし、野菜や魚を多く摂るバランスの良い食事を心掛けます。
脳出血
脳内の血管が破れて出血し、脳内に血液が溜まることで脳圧が上昇し、脳機能が障害される病気です。
① 種類
- 高血圧性脳出血
高血圧により血管が破れ、脳内で出血が起こるタイプ。特に脳の深部で発生しやすいです。 - 動脈瘤破裂
脳動脈にできた瘤(動脈瘤)が破裂し、出血が起こるタイプ。
② 発生原因
- 高血圧
血管に過度の圧力がかかり、破れやすくなります。 - 動脈瘤
血管壁の一部が膨らんで形成される瘤が破裂することがあります。 - 脳血管奇形
血管が異常な構造をしていると、出血のリスクが高まります。 - 外傷
頭部への強い衝撃が原因で出血することがあります。
③ 症状
- 突然の激しい頭痛
出血が起こると、突然の激しい頭痛を感じることがあります。 - 意識障害
意識がぼんやりしたり、昏睡状態に陥ったりします。 - 嘔吐
脳圧の上昇により嘔吐することがあります。 - 片側の手足の麻痺やしびれ
出血によって脳の機能が障害され、片側の手足に麻痺やしびれが生じます。
④ 治療方法
【急性期治療】
- 脳圧管理
脳浮腫を防ぐための治療(脳室ドレナージ、浸透圧療法など)。 - 手術
出血部位の血腫を除去する手術(血腫除去術)や、破裂した動脈瘤をクリップで止める手術(動脈瘤クリッピング)。
【慢性期治療】
- リハビリテーション
機能回復のためのリハビリテーションを行います。
⑤ 再発予防
- 血圧管理
血圧を正常範囲内に保つため、降圧薬の内服や生活習慣の改善を行います。 - 血糖管理
糖尿病の管理を行い、血糖値を正常範囲内に保ちます。 - 禁煙
喫煙は血管に悪影響を与えるため、禁煙が推奨されます。 - 定期的な医療検査
動脈瘤や脳血管奇形の早期発見のため、定期的に検査を受けることが重要です。
くも膜下出血
脳の表面とくも膜との間にあるくも膜下腔に出血が起こり、脳機能が障害される病気です。
① 種類
- 動脈瘤破裂によるくも膜下出血
脳動脈の瘤(動脈瘤)が破裂して出血が起こるタイプ。 - その他の原因によるくも膜下出血
脳血管奇形や頭部外傷によって出血が起こるタイプ。
② 発生原因
- 動脈瘤
血管壁の一部が膨らんで形成される瘤が破裂することがあります。 - 脳血管奇形
血管が異常な構造をしていると、出血のリスクが高まります。 - 外傷
頭部への強い衝撃が原因で出血することがあります。
③ 症状
- 突然の激しい頭痛
出血が起こると、突然の激しい頭痛を感じることが多く、「ハンマーで殴られたような痛み」と表現されることもあります。 - 意識障害
意識がぼんやりしたり、昏睡状態に陥ったりします。 - 嘔吐
脳圧の上昇により嘔吐することがあります。 - 首のこわばり
くも膜下出血によって髄液中に血液が流れ込み、髄膜刺激症状(首のこわばり)が生じます。
④ 治療方法
【急性期治療】
- 手術
動脈瘤をクリップで止める手術(動脈瘤クリッピング)や、コイルを使って動脈瘤を塞ぐ手術(コイル塞栓術)。 - 脳圧管理
脳浮腫を防ぐための治療(脳室ドレナージ、浸透圧療法など)。
【慢性期治療】
- リハビリテーション
機能回復のためのリハビリテーションを行います。
⑤ 再発予防
- 動脈瘤の定期検査
動脈瘤の早期発見と治療のため、定期的に検査を受けます。 - 血圧管理
血圧を正常範囲内に保つため、降圧薬の内服や生活習慣の改善を行います。 - 禁煙
喫煙は血管に悪影響を与えるため、禁煙が推奨されます。 - 血管健康を保つ生活習慣の改善
健康的な食事、適度な運動、ストレス管理などが重要です。
3病がひとまとめにされるようになった理由
では、なぜ脳梗塞、脳出血、くも膜下出血は「脳卒中」と呼ばれるようになったのでしょうか?
それは、昔はCTやMRIなどの詳しい画像診断ができなかったため、脳内の異常を詳しく分類するのが難しかったからです。そのため、脳の血管に関わる急な症状をすべて「脳卒中」と呼ぶようになりました。
ちなみに、「脳卒中」という言葉の由来は「脳に卒然(=突然)、中(あた)る」という意味から来ています。これは、脳の血管に急に異常が発生し、突然の発作や症状が起こる状態を表しています。この言葉は古代中国の医学用語から日本に伝わり、現代でも脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの総称として使われています。
このような理由で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血がひとまとめにされるようになったのです。
おわりに
ということで今回は、脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いについてみてきました。
私自身も脳梗塞を発症した当時、その違いが分からずに混乱した経験があります。正確な知識を持つことは、予防や早期発見に役立ち、日常生活での健康管理にも繋がります。
脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称であり、これらの病気は一見似ているように思えますが、それぞれ発生原因や症状、治療方法が異なります。この記事で紹介した情報を参考にして、少しでも健康な生活を送るための助けになれば幸いです。
![](https://miraicopain.com/wp-content/uploads/2024/04/オレンジ グラデーション 3D- かわいい ありがとう プレゼント-Instagram投稿-8.jpg)
脳卒中後の生活に役立つ、セミナーアーカイブ動画を無料でプレゼント中
公式LINEで、お友達になってください
<プレゼント内容>
・脳卒中後の栄養管理
・脳卒中後あなたを守る福祉制度
・脳卒中後のストレス管理
・脳卒中後の睡眠管理
・脳卒中後の仲間づくり
・脳卒中後のリハビリテーション
・脳卒中後の脳トレーニング
・脳卒中後のアロマテラピー
今後も追加予定。
下記より、お友達登録お願いします!
![友だち追加](https://scdn.line-apps.com/n/line_add_friends/btn/ja.png)